車庫開口を門型フレームで補強

築27年の木造3階建て住宅。1階部分が開口が大きく耐力壁がないために車庫入口廻りを門型フレームにて補強し、評点は1.5となる。 耐震改修の事例
3階木造で大開口の車庫は危険

 築27年の木造3階建てで耐震性が不安ということで、耐震診断を依頼されました。調査したところ、震災以降の建物で、比較的、新しいのですが、車庫の開口が大きく、道路側に壁がなく、柱頭・柱脚に金物がついていないことから、1階部分の評点が、0.48と低く、「倒壊する可能性が高い」という結果となり、1階部分特に車庫開口廻りを補強することになりました。

物件概要

所在地 兵庫県神戸市垂水区
構造 木造在来工法
階数 3階建
築年数 平成11年
延床面積 約120㎡
改修目的 地震への不安解消

現地調査

調査内容

 ✅ 内外部の劣化状況
 ✅ 床下状況
 ✅ 小屋裏・天井裏状況
 ✅ 基礎配筋確認
 ✅ 間取り、開口部の位置、大きさ

調査状況

筋かい金物の設置状況を確認する。
筋かい金物の設置状況を確認する。
梁のサイズを確認する。H=320mm
梁のサイズを確認する。H=320mm
柱頭には接合金物は設置されていない。
柱頭には接合金物は設置されていない。
筋かいの設置状況の確認する。
筋かいの設置状況の確認する。
立上りの基礎の鉄筋の有無を確認
鉄筋探査機にて基礎の鉄筋の有無を確認

耐震診断結果

 この現地調査の結果を「日本建築防災協会」による“木造住宅の耐震診断と補強方法(一般診断)”に準じて耐震診断を行いました。診断ソフトは、「ホームズ君耐震診断Pro」を使用しています。

建物概要と状況

  1. 天井裏、小屋裏に関して
    天井裏、小屋裏に関してですが、全体的に、良好で小屋組全体はしっかりしています。梁成も最大320mmあります。構造計算書は無し。
  2. 筋違いに関して
    筋違いサイズは90×45。筋違い金物はしっかりついています。天井点検口を8ヶ所設置し、全ても筋違いの設置状況を確認する。
  3. 柱頭・柱脚部・筋かい接合部
    柱頭・柱脚部、筋かいには金物は確認できませんでした。

地盤・床下・基礎形式・柱頭柱脚接合部・筋かい接合部

  1. 地盤に関して
    建物には傾きは無く、健全な地盤と判断します。
  2. 床下に関して
    床下に関してですが、キッチン床点検口より状況を確認しました。乾燥状況は良く、目視できる範囲では、土台・柱には蟻害、腐食はありませんが、今後のことを考えて、白蟻がつかないうちに、防蟻工事をされることをお勧めします。
  3. 基礎に関して
    鉄筋コンクリート造のべた基礎でコンクリート状況は問題無し。鉄筋探査機にて鉄筋の有無確認したが、

現況図

■ 1階平面図

劣化状況 所見

劣化状況について確認しました。最近にリフォームされていますので、内外部ともに非常に綺麗で、特に問題はありません。

上部構造評点

 これらの状況をもとに、国土交通省監修の『木造住宅の耐震診断と補強方法(一般診断)』に基づいて耐震診断を行いました。その結果、評点は0.49となり、大地震が発生した場合に「倒壊する可能性が高い」という結果が得られました。

 これは、柱頭・柱脚に接合金物が設置されていないこと、南北方向に開口が多いこと、特に1階の玄関・車庫の外壁通りに開口が大きく、壁量が不足していることが原因です。この部分が、大地震が発生した際に最も危険な個所となります。2階部分においても、若干、強度が不足しています。3階は特に問題はありません。

総合評価

計画策定

 この耐震診断結果に基づいて耐震補強計画を進めていきます。今回は、通常のリフォームも兼ねていますので、この段階でその計画も組み込みます。

改修方針

 耐震診断の結果、補強工事をされることをお勧めします。補強工事としましては、具体的な補強方法として、耐力が不足している部分に新たに筋違いや構造用合板などで耐力壁を作ります。特にそして、全体的に柱頭・柱脚金物が設置されていませんので、大きな力がかかる部分にその金物を設置します。このようにすることにより、評点は、1.5以上となり、大地震の際にも倒壊しない安全な家となります。

① 耐力壁の設置

  • 最も危険な部分が1階の玄関・車庫の外壁通りですので、その部分を補強する。
  • 車庫・玄関の道路側に壁が全くなく、車庫の開口部分が大きいため、この部分に門型フレームを設置する。

門型フレームは左右で400mm程度しか壁ができないために車の出入りに支障がない。

② 柱頭・柱脚に金物を設置

  • 1階の一部において、既存筋かい部分に新たに柱頭・柱脚に金物を設置する。
  • 2階の一部において、既存筋かい部分に新たに柱頭・柱脚に金物を設置する。

改修計画図

■ 1階平面図

計画策定結果

その結果評点は、以下の通りです。現況評点0.48から1.51まで評点があがり、「大地震がきても倒壊しない」というレベルになります。

耐震改修工事

ここでは、改修工事の実際を工事ごとに順を追って紹介します。

① 耐力壁の設置

筋かいの補強
筋かいの補強
構造用合板を貼る。
構造用合板を貼る。
石膏ボードを貼る。
石膏ボードを貼る。
柱頭を接合金物にて補強する。
柱頭を接合金物にて補強する。
柱脚を接合金物にて補強する。
柱脚を接合金物にて補強する。
構造用合板貼:釘N50を150mm間隔で打つ。
構造用合板、釘N50を150mm間隔で打つ
  • 接合金物が図面通りに設置されていか、ビスなどしっかりと留まっているのかチェック
  • 構造用合板の仕様が適切か、釘の種類、打ち方、間隔は適切かチェック

② 門型フレームの設置

門型フレーム基礎:アンカーボルトの設置、鉄筋組み完了
門型フレーム基礎:アンカーボルトの設置、鉄筋組み完了
門型フレームと基礎との接合完了
門型フレームと基礎との接合完了
門型フレーム:柱と梁の接合部分に金物を設置して補強する。
門型フレーム:柱と梁の接合部分に金物を設置して補強
門型フレームの設置完了
門型フレームの設置完了(道路側より)
門型フレームの設置完了
門型フレームの設置完了(内側より)
門型フレーム補強部分の完成。
門型フレーム補強部分の完成。
  • 門型フレームの仕様は図面通りか
  • 門型フレームの施工はメーカーが指定している施工要領書通りか。
  • 特に既存基礎と新設基礎との接合部、フレームと既存梁・柱の接合部、部材の接合部の状況をしっかりとチェックする。

③ 金物補強

金物の種類をチェックする
金物の種類をチェックする
柱頭金物、筋かい金物の取り付け
柱頭金物、筋かい金物の取り付け
柱脚金物、筋かい金物の取り付け
柱脚金物、筋かい金物の取り付け
  • 金物の種類が図面通りかチェックします。
  • ビスの打ち方に問題はないかチェックします。

費用と工期

■ 費用

内容金額(消費税込み)
調査費(点検口設置共)20万円
耐震改修設計費25万円
耐震補強工事280万円
工事監理費(報告書作成費含)10万円
合 計335万円

■ 工期:約1ヶ月

ご相談・お問合わせ

ここまでお読みいただき、ありがとうございます。住まいの購入やリフォームは、多くの方が「本当にこれで大丈夫なのか」と不安を感じながら進めています。こんな方は、一度ご相談ください。

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  2. この家を買って後悔しないか不安
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