1.2022年当時の経緯に関する記載について
意見書の「これまでの経緯」③に記載した「全面葺き替えが最も望ましいとの説明があった」という部分について、改めて確認しましたが、ヤマダホームズがそのような説明を行ったことを裏付ける明確な資料は確認できませんでした。
したがって、この記載は確認できた事実と私の認識を混同したものであり、事実として断定することは適切ではありませんので、修正いたします。
具体的には、次のとおり修正したいと考えています。
【修正前】
「同社からは当初、全面葺き替えが最も望ましいとの説明がありましたが、費用面等を考慮し、下屋を葺き替え、その際に取り外した既存の『ワンダ・ストーン』のうち再利用可能なものを大屋根の差し替え材として使用する方法が採用されました。」
【修正後】
「2022年の改修工事に際して、株式会社ヤマダホームズから全面葺き替えの提案があったとされています。その後、下屋を葺き替え、取り外した既存の『ワンダ・ストーン』のうち再使用可能なものを大屋根の差し替え材として使用する方法が採用されました。
なお、全面葺き替えの必要性や技術的な優位性、部分補修に伴う将来的なリスクについて、当時どのような説明が行われたかは、打合せ記録等の客観的資料が確認できないため明らかではありません。」
2.2022年当時における全面葺き替えの必要性について
2022年当時においても、私は、大屋根の全面葺き替えが技術的に最も確実で望ましい方法であったと考えます。
その理由は、当時すでに新築から約21年が経過し、屋根材に複数の割れが確認され、部分的な差し替えが必要と判断される状況にあったこと、また部分補修では既存のルーフィングを全面的に更新することができず、屋根全体の防水性能を長期的に確保するうえで不確実性が残るためです。
さらに、下屋から取り外した約21年間使用した屋根材を大屋根の差し替え材として再使用する方法では、新品の屋根材を使用する場合と同等の耐久性を確保できるとは判断できません。
したがって、当時の状況を踏まえても、屋根材及びルーフィングを一体的に更新できる全面葺き替えが、技術的には最も確実な方法であったと考えます。
ただし、これは今回確認した資料等に基づく技術的な見解であり、部分補修という方法自体が直ちに不適切であったと断定するものではありません。
3.部分補修を採用する場合に説明すべき事項について
これについては、今回の意見書に記載したとおりです。
具体的には、既存屋根材に今後も新たな割れが発生する可能性、再使用する屋根材の耐久性、シーリング材やパッキン付きビスの経年劣化、既存ルーフィングの状態及び将来的な雨漏りのリスク等について説明することが望ましかったと考えます。
また、部分補修によって屋根全体が新品と同等の状態になるわけではなく、将来、再補修や全面葺き替えが必要になる可能性があることについても説明する必要があったと考えます。
さらに、部分補修後の定期的な点検、維持管理の必要性についても説明することが望ましかったと思います。
これらの事項は、施主が全面葺き替えと部分補修の長所・短所を理解し、工事方法を判断するための重要な情報です。
特に、全面葺き替えと部分補修では、工事費用だけでなく、期待できる耐久性や将来的な維持管理費用にも違いがあるため、これらを比較して説明することが重要であったと考えます。
したがって、2022年の工事契約時に、これらの内容について十分な説明を行い、施主の理解を得たうえで工事方法を決定することが望ましかったと考えます。
4.当時の説明内容及び意見書への補足について
八木様が懸念されているように、現在の意見書の記載では、全面葺き替えの必要性や部分補修のリスクについて十分な説明を受けたうえで、費用面から部分補修を選択されたように受け取られる可能性があります。
そのような事実関係を確認できる資料はありませんので、この点について誤解が生じないよう修正いたします。
また、八木様からお聞きした当時の経緯については、客観的に確認された事実と区別し、「依頼者からの聞き取りによる」と明記したうえで、意見書に補足することは差し支えないと考えます。
ただし、当時の説明の有無や内容については、打合せ記録等が確認できないため、断定は避けたいと思います。
以上の内容を踏まえ、意見書の該当箇所を修正したいと考えております。
なお、意見書について、ほかにも事実関係の相違やお気づきの点がございましたら、お知らせいただければ幸いです。今回の修正と併せて確認し、必要な修正を行いたいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
1.パテ補修について
屋根材の「差し替え」と「パテ等による割れ補修」は、施工方法及び目的が異なるものです。
屋根材の差し替えは、割れた屋根材を取り外し、別の屋根材に交換する方法です。一方、パテやシーリング材による補修は、割れた屋根材をそのまま残し、割れ部分に補修材を充填又は塗布する方法です。
したがって、両者は同じ補修方法ではありません。
もっとも、実際の屋根補修工事では、差し替えを基本としながら、差し替えが困難な部分や軽微な損傷部分について、補助的にシーリング材等による補修を行う場合も考えられます。
そのため、差し替え工事にシーリング補修が併用されること自体を、直ちに不適切と判断するものではありません。
しかし、今回のように多数の箇所でシーリング補修が行われている場合には、当初予定されていた差し替え工事と実際の施工内容との関係を明確にする必要があると考えます。
特に、差し替えを予定していた屋根材について、どのような理由で差し替えずにシーリング補修を行ったのか、使用した補修材は何か、どの程度の耐久性が期待できるのか等について、施工会社から説明することが望ましかったと考えます。
また、シーリング材による補修は、割れた屋根材そのものの強度を元の状態まで回復させるものではありません。経年劣化によって再補修が必要となる可能性もあります。
したがって、当初の契約で屋根材の差し替えを予定していたのであれば、多数の箇所について異なる補修方法を採用する際には、その理由、施工内容及び将来的な維持管理上の注意点を事前に施主へ説明し、理解を得ることが望ましかったと考えます。
なお、今回「パテ補修」と呼ばれている補修については、実際に使用された材料の製品名や仕様が確認できていないため、意見書では原則として「シーリング材等による補修」と表現するのが適切と考えています。
2.脳天打ちについて
化粧スレート屋根材の差し替え工事では、新築時と同じ位置で屋根材を固定することが困難な場合があり、屋根材の表面からビス等で固定する、いわゆる「脳天打ち」が採用されることがあります。
今回の意見書でも述べましたように、当時のメーカー補修施工資料にも表面からビス等で固定する方法が示されているため、脳天打ちという施工方法自体を直ちに不適切と判断することはできません。
ただし、この施工方法では、使用するビスの種類、固定位置、締め付け方法、防水処理等が重要になります。
特に、ビスが下葺材(ルーフィング)まで貫通する場合には、ビス周辺の止水処理や、将来的なパッキン・シーリング材の劣化等について注意する必要があります。
また、屋根材の差し替えと説明されただけでは、一般の施主が、屋根材の表面からビスを打ち込む施工方法が採用されることまで理解するのは難しいと思います。
したがって、2022年当時においても、脳天打ちを採用する予定であったのであれば、その施工方法、採用する理由、防水上の注意点及び将来的な点検・維持管理の必要性について、事前に施主へ説明することが望ましかったと考えます。
特に本件では、約21年間使用された既存屋根材を再使用することから、ビスによる固定が屋根材に与える影響についても十分に配慮する必要があったと考えます。
ただし、実際の施工がメーカー仕様に適合していたかどうか、また、当時どのような説明が行われたかについては、現時点で確認できる資料だけでは判断できません。
3.意見書への追記について
今回ご質問いただいた内容は、屋根の補修方法を評価するうえで重要な事項であると考えます。
特に、2022年当時においても全面葺き替えが技術的に最も確実な方法であったこと、また、部分補修を採用する場合には、施工方法や将来的なリスクについて施主に十分説明することが望ましかったことについては、意見書に補足することが適切と考えます。
また、屋根材の差し替えとシーリング補修との違い、脳天打ちによる固定方法についても、既に意見書で述べている技術的評価を補足する形で整理したいと思います。
ただし、当時の契約内容や説明の有無については、客観的資料で確認できる事項と、八木様からの聞き取りによる事項を区別し、事実関係を断定しないよう留意いたします。
今回の意見書は、屋根材の状態、補修方法の妥当性及び今後の耐久性について、建築士として技術的な見解を述べるものです。
したがって、施工会社の契約上の責任等について判断するものではありませんが、施主が工事方法を適切に選択するために、どのような技術的説明が望ましかったかについては、私の見解を示すことができると考えます。
以上を踏まえ、前回ご指摘いただいた経緯の記載修正と併せて、意見書を補足・修正したいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
今回のように、既存の屋根材に多数の割れが発生し、差し替えやシーリング材等による補修が必要となる場合には、施工会社は工事前に、補修方法や将来的なリスクについて具体的に説明することが望ましかったと考えます。
まず、屋根材の差し替えとシーリング材等による割れ補修は、施工方法及び目的が異なります。差し替えは割れた屋根材を別の屋根材に交換する方法ですが、シーリング補修は割れた屋根材を残したまま、その割れ部分を補修する方法です。
したがって、当初、屋根材の差し替えを予定していたにもかかわらず、多数の箇所についてシーリング補修を行うのであれば、その理由や補修範囲、施工方法について、事前に施主へ説明することが望ましかったと考えます。
さらに、今回のように補修箇所が多数に及ぶ場合には、単に補修方法を説明するだけでは不十分であり、現在の屋根材の状態、今後も新たな割れが発生する可能性、シーリング材やパッキン付きビス等の経年劣化、将来的な雨漏りのリスクについても、具体的に説明することが重要です。
また、部分補修によって屋根全体が新品と同等の状態になるわけではないため、今後どのような点検が必要となるのか、点検の時期や内容、点検費用の負担、異常が発見された場合の補修方法や費用についても、施主が理解できるよう説明することが望ましかったと考えます。
特に重要なのは、工事費用だけでなく、将来的な維持管理費用も含めて検討することです。
今回の部分補修費用が約30万円であったとすれば、今後の定期点検や再補修にどの程度の費用が必要となるのかを検討し、全面葺き替えを行う場合と比較することが望ましかったと思います。
今回の意見書では、既存屋根を継続使用する場合、少なくとも5年を超えない程度を目安とした専門点検と、必要に応じた早期補修を提案しています。ただし、これは現在の屋根の状態を踏まえた点検の目安であり、2022年当時に一律に5年ごとの点検が必要であったと断定するものではありません。
仮に、定期点検や再補修に相応の費用が必要となり、将来的には全面葺き替えも避けられない可能性があるとすれば、当初の工事費用が安価であっても、長期的には必ずしも経済的な方法とは限りません。
そのため、部分補修と全面葺き替えについて、初期費用、期待できる耐久性、将来的な点検・補修費用等を比較し、施主が長期的な負担やリスクを理解したうえで工事方法を選択できるようにすることが重要であったと考えます。
また、部分補修を採用する場合には、工事後の点検時期、点検内容、費用負担、不具合が発生した場合の対応及び保証範囲等について、契約書や維持管理計画書などで明確にしておくことが望ましかったと考えます。
このような説明が行われていれば、施主が部分補修ではなく、全面葺き替えを選択する可能性もあったと思います。
ただし、2022年当時に実際にどのような説明が行われたかについては、打合せ記録等が確認できないため、現段階では判断できません。
今回、2022年当時の見積書を確認したところ、大屋根工事として「屋根材差替え」60㎡、単価5,000円、金額300,000円と明記されており、その施工内容についても「下屋根から取り出した良好な状態の物と差替えます」と記載されています。
したがって、見積書上は、既存の割れた屋根材を、下屋から取り外した良好な屋根材に差し替える工事が予定されていたと理解できます。
一方、実際には多数のシーリング材等による補修が行われています。屋根材の差し替えとシーリング補修は施工方法が異なるため、当初の予定と異なる方法を多数の箇所で採用するのであれば、その理由、施工範囲、補修方法及び将来的なリスクについて、事前に施主へ具体的に説明することが望ましかったと考えます。
また、今回の部分補修費用は30万円とされていますが、部分補修は将来にわたって補修費用が不要になることを意味するものではありません。
例えば、今後の専門点検費用や再補修費用が累積すれば、当初の30万円に相当する費用が追加で必要となる可能性もあります。ただし、実際にどの程度の費用が発生するかは、点検結果や補修範囲等によって異なるため、現時点では判断できません。
したがって、2022年の工事方法を選択する際には、部分補修の初期費用30万円だけでなく、将来的な点検費用、再補修費用、足場費用及び全面葺き替えが必要となる可能性等を考慮し、全面葺き替えとの長期的な費用比較を行うことが望ましかったと考えます。
そのうえで、部分補修を採用する場合には、点検時期、点検内容、費用負担、保証範囲及び再補修が必要となった場合の対応について、書面で明確にしておくことが望ましかったと思います。
1.パテ・シーリング補修について
屋根材の「差し替え」と「パテ・シーリング材等による補修」は、施工方法及び目的が異なります。前者は割れた屋根材を交換する方法ですが、後者は割れた屋根材を残したまま補修する方法です。
差し替え工事にシーリング補修を併用すること自体は、直ちに不適切とはいえません。しかし、今回の見積書には「屋根材差替え」60㎡、30万円と明記され、「下屋根から取り出した良好な状態の物と差替えます」と記載されています。
したがって、実際に多数の箇所でシーリング補修を行うのであれば、その理由、施工範囲、使用材料、耐久性及び将来的なリスクについて、事前に施主へ具体的に説明することが望ましかったと考えます。
特に今回のように補修箇所が多数に及ぶ場合には、今後も新たな割れが発生する可能性、シーリング材等の経年劣化、雨漏りのリスク、定期点検や再補修の必要性についても説明することが重要です。
また、今回の大屋根の差し替え工事費用は30万円ですが、将来の点検・再補修費用が累積すれば、当初の工事費用に相当する負担が生じる可能性もあります。
そのため、2022年の契約時には、部分補修と全面葺き替えについて、初期費用だけでなく、期待できる耐久性、将来的な点検・補修費用、足場費用等を含めて比較し、施主が長期的な負担やリスクを理解したうえで工事方法を選択できるようにすることが望ましかったと考えます。
さらに、部分補修を採用する場合には、点検時期、点検内容、費用負担、保証範囲及び再補修時の対応等について、書面で明確にしておくことが望ましかったと思います。
なお、今回の意見書では、現在の屋根の状態を踏まえ、5年を超えない程度を目安とした専門点検を提案していますが、これは2022年当時にも一律に同じ点検周期が必要であったと断定するものではありません。
2.脳天打ちについて
化粧スレート屋根材の差し替え工事では、屋根材の表面からビス等で固定する「脳天打ち」が採用されることがあります。当時のメーカー施工資料にも示されているため、この方法自体を直ちに不適切とは判断できません。
ただし、ビスの種類、固定位置、締め付け方法、防水処理等が重要であり、特にルーフィングを貫通する場合には、ビス周辺の止水性能やパッキン・シーリング材の経年劣化に注意する必要があります。
また、一般の施主が「屋根材の差し替え」という説明だけで、表面からビスを打ち込む方法まで理解することは難しいと思います。
したがって、2022年当時においても、脳天打ちを採用するのであれば、その方法と採用理由、防水上の注意点及び将来的な点検・維持管理について、事前に説明することが望ましかったと考えます。
特に本件では、約21年間使用した既存屋根材を再使用しているため、ビスによる固定が屋根材に与える影響にも配慮する必要があったと考えます。
3.意見書への追記について
今回ご質問いただいた内容は、補修方法の妥当性を評価するうえで重要な事項と考えます。
2022年当時においても全面葺き替えが技術的に最も確実な方法であったこと、また、部分補修を採用する場合には、施工方法、将来的なリスク及び維持管理費用について十分に説明することが望ましかったことを、意見書に補足したいと考えます。
また、屋根材の差し替えとシーリング補修の違いや、脳天打ちによる固定方法についても、事前に具体的な説明があれば、工事内容に対する施主の理解が深まり、後の認識の相違を防ぐことにつながったと考えます。
ただし、2022年当時に実際にどのような説明が行われたかについては、打合せ記録等が確認できないため、断定は避ける必要があります。
以上を踏まえ、前回ご指摘いただいた経緯の記載修正と併せて、意見書を補足・修正したいと考えております。
どうぞよろしくお願いいたします。
安水建築事務所
一級建築士 安水 正

