小屋裏(屋根裏)・天井裏状況のチェック

小屋裏(屋根裏)・天井裏状況のチェック

 小屋裏(屋根裏)や天井裏からは、その建物の構造・劣化・施工状態など、さまざまな重要な情報を読み取ることができます。詳細に調査することで、耐久性・耐震性・断熱性といった住宅性能の現状を把握することが可能です。これらを確認したうえで、問題が見つかった場合には、「どのように改善すれば安全で安心、快適な住まいになるのか」を考えることが非常に重要です。

チェック方法

 小屋裏・天井裏の調査は、天井点検口から侵入し、目視を中心に行います。点検口は、押入れやクローゼットの天井などに設置されていることが一般的です。主なチェックポイントは以下のとおりです。

  • 小屋組の仕様(垂木・梁・雲筋違いのサイズ、ピッチなど)と施工状況
  • 筋かいの設置状況、壁構造の状態
  • 金物の種類・取付位置・固定状態
  • 換気状況
  • 雨漏りの有無
  • 断熱材の仕様(厚み・設置状況)
  • 小屋組全体の劣化状況
小屋裏のチェック

築7年の小屋裏

小屋裏の仕様(垂木・梁・雲筋違いのサイズ・間隔など)、換気の状況、金物の取り付け方、断熱材の設置状況、劣化状況など全く問題がない

小屋組状況のチェック

 小屋組は、野地板、垂木、母屋、束、雲筋違い、桁梁、火打ち梁などで構成されており、それぞれに適切なサイズや間隔があります。

 これらが基準より小さい場合、屋根の重みや地震、経年劣化によって部材がたわんだり、歪んだりし、最悪の場合、屋根の崩壊につながる恐れがあります。そのため、購入前にしっかりと確認し、必要に応じて補強を検討することが重要です。

火打ちの取付け方
火打ちの取り付け状況をチェック。
桁梁のサイズ
桁梁のサイズをチェック
垂木間隔のチェック

筋かいの設置状況・壁構造のチェック

 小屋裏・天井裏からは、筋かいの有無や設置状況を確認できる場合があります。筋かいは地震に抵抗するための重要な部材であり、サイズ・取付方法・配置が適切である必要があります。

 また、壁下地の仕様や施工状況を確認することで、壁の耐震性能を把握することができます。筋かいが適切に設置され、強度の高い壁下地材が使用されていれば、耐震性が高い建物であると判断できます。

筋違いの設置状況
筋違いの設置状況のチェック
筋違いサイズの測定
筋違いサイズの測定
壁の構造をチェックする
壁の構造をチェックする

金物の取付状況・釘の打ち方のチェック

 木造住宅では、柱や梁、筋かいなどの接合部に金物や釘が不可欠です。これらは単に取り付ければよいものではなく、種類・位置・固定方法が定められています。

 適切な金物が正しい位置に、正しい方法で取り付けられているかを確認することが、建物の安全性を判断するうえで重要です。

梁と梁との接合状況(羽子板ボルトで接合)
梁と梁との接合状況(羽子板ボルトで接合)

換気状況のチェック

 小屋裏からは、換気の状態も確認できます。換気が適切に行われ、乾燥した状態であれば問題ありませんが、湿気がこもっている場合は、梁や垂木にカビが発生し、強度や耐久性が低下する恐れがあります。また、断熱材が湿気を含むと断熱性能も大きく低下します。

小屋裏換気口のチェック

小屋裏換気口のチェック。

雨漏れの有無のチェック

 雨漏りの有無を確認することは非常に重要です。雨漏りが確認された場合、屋根材の割れやズレ、棟や谷部、下屋と外壁の取り合い部分などに問題がある可能性が高く、原因箇所を丁寧に確認する必要があります。

断熱材のチェック

 小屋裏・天井裏を見ることで、断熱性能の状況を把握できます。近年の建物では断熱計画がされていますが、築20年以上の住宅では、断熱材が入っていない、または劣化しているケースが多く見られます。

断熱材の設置状況をチェック

断熱材の設置状況をチェック

断熱材の仕様をチェック

断熱材の仕様をチェック

調査結果とその判断基準

小屋組状況について

 一般的に垂木のサイズは45×60mmまたは45×45mm、間隔は300~450mm程度です。これより小さい場合、特に瓦屋根では垂木に歪みが生じやすく、すでに変形が見られる場合は注意が必要です。必要に応じて屋根材の軽量化や下地からの補強を検討します。

屋根の重量を支える、母屋、桁梁の数が不足している。

筋かいの設置状況について

  筋かいの一般的なサイズは30×90mmまたは45×90mmで、現在は45×90mmが主流です。
 筋かい端部には、地震時の抜けを防ぐための専用の金物が必要で、未設置の場合は補強が必要です。

壁下地は土壁であり、筋違いが確認できない。

筋違いはついているが、釘留めであり、釘が腐食している。

金物の取付状況について

 阪神・淡路大震災では、柱や筋かいが接合部から外れたことが倒壊原因の一つとなりました。現在は金物の仕様・取付方法が明確に定められていますが、古い建物では未設置や腐食、ボルトの緩みが見られることがあります。不具合がある場合は、適切な補強が必要です。

梁と桁とを緊結しているボルトが緩んでいる。

柱の頭には、金物が設置されていない。

換気状況について

 小屋裏が湿っている場合は、構造材や断熱材の劣化が進行します。換気口の新設などにより、換気環境を改善する必要があります。

小屋裏の換気状況が悪く、いたるところにカビが繁殖している。

雨漏れについて

 雨漏りの補修方法には、部分補修と屋根全体の改修があります。部分補修は費用を抑えられますが、耐久性は限定的です。長期的には屋根全体の改修が有効な場合もあります。構造材が腐食している場合は、あわせて交換・補強が必要です。

外壁より、漏水している。

2階浴室下部の天井裏。防水が切れて漏水し、根太、床板が腐食している。

断熱材について

 築年数の古い住宅では、断熱材が入っていない、または性能が十分でない場合があります。小屋裏の断熱材は後施工が可能なケースも多く、断熱性能向上のために入れ替えや追加を検討すると、住環境は大きく改善します。

屋根・天井には全く、断熱材が入っていない。

断熱材は入っているが、部分的にめくれている。

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