内部設備のチェックでは、設備機器が正常に使用できるかどうかだけでなく、それらを使って快適かつ安全に生活できる状態にあるかを確認することが重要です。水廻りや電気設備などは日常的に使用頻度が高く、不具合があると生活に直結するため、丁寧な確認が欠かせません。
チェック方法
キッチン・洗面所・浴室・便所などの水廻りについては、すべての水栓を実際に開け、可能であれば数十分程度、水を流した状態で確認します。主な確認事項は次のとおりです。
- 設備機器が正常に作動するか
- 破損や著しい劣化が見られないか
- 給排水配管から水漏れ、異臭、異音がないか
- 排水がスムーズに行われているか

水が出るところは、全て、水を流してみる。漏水していないか、詰まりはないか、異臭、異音はないか、十分にチェックする。

洗面台の下部。実際に水を流して、漏水はないか、十分にチェックする。特にジョイント部分は要注意。

ユニットバスのシャワー栓をチェック

ユニットバスの排水状況をチェック

浴槽に水平器を置いて、設置状況をチェック

便器の流水状況をチェック
電気設備については、すべての照明スイッチやコンセントを操作し、正常に通電しているかを確認します。スイッチ操作時の違和感や、コンセントの緩み、変色などがないかもあわせてチェックします。

照明スイッチの動作状況のチェック

コンセントの通電状況のチェック

レンジフードの動作状況をチェック

インターホンの動作状況のチェック
ガス設備については、入居前は開栓されていないケースが多く、十分な動作確認ができない場合がほとんどです。給湯器などの設備については、一般的に使用年数が10年程度を超えている場合、近い将来の交換を前提に考えておく必要があります。
調査結果と判断基準
便器や洗面台などの設備機器については、故障がある場合はもちろん、使い勝手や快適性を向上させたい場合には交換を検討します。一方、給排水配管については、現時点で使用可能なケースも多いですが、水漏れや不具合が確認された場合は、部分的な修繕が必要となります。
排水口やトラップ部分から異臭が発生している場合は、配管内のどこかに汚水が滞留し、腐敗している可能性があります。このような場合には、簡易的な対処で済まないことも多く、詳細な調査を行ったうえで、場合によっては配管の交換が必要となります。
電気設備については、間取り変更を伴うリフォームを行う場合、配線や電気機器は基本的に更新することになります。また、分電盤については、現行の使用状況に対して回路数や容量が不足しているケースが多く、交換が必要となることが少なくありません。
既存設備をそのまま使用する場合であっても、劣化が著しい場合には、スイッチや接続部からの漏電の有無について、専門的な調査が必要です。換気扇についても、埃や汚れが付着していると換気性能が低下するため、十分な清掃や、必要に応じた交換を行うことが望まれます。
