中古住宅を購入する際には、建物そのものの状態だけでなく、どのような書類・図面が残されているかを確認することも非常に重要です。 これらの書類を確認することで、その建物が法的に問題のない建物なのか、また、どのような構造・性能を持っているのかを客観的に判断することができます。
主に確認すべき書類は、以下のとおりです。
- 建築確認申請書および確認済証
- 中間検査合格証、完了検査済証
- 図面(平面図・立面図・断面図・矩計図・基礎伏図・耐力壁/金物配置図・設備図など)
- 仕様書・地盤調査報告書・壁量計算書・金物計算書
- 各種保証書(地盤・白蟻・防水・10年保証など)
- 工事中の写真(基礎・軸組・断熱工事などの隠蔽部分)
- 売買契約書
これらを総合的に確認することで、その建物に問題があるかどうかを判断する重要な材料となります。
チェック方法
建築確認申請書
建築確認申請書とは、建物を建てる前に、その計画が建築基準法に適合しているかどうかを確認するため、行政または指定確認検査機関に提出した書類です。計画が法令に適合していれば、建築確認済証が発行されます。
この書類があるということは、少なくとも建築計画当時においては、建築基準法に適合していた建物であるということを示しています。
中間検査合格証・完了検査済証
中間検査合格証および完了検査済証は、建物が建築確認申請書どおりに施工されたことを確認するための重要な書類です。これらの検査は、通常、建築確認済証を発行した第三者検査機関によって行われます。
木造住宅の場合、中間検査は建て方完了後、耐力壁や金物の設置が終わった段階で行われ、構造的に最も重要な検査といえます。完了検査は、工事完了後に建物全体が申請どおりに完成しているかを確認するもので、適合していれば完了検査済証が発行されます。
これらの検査済証がない場合、問題物件となる可能性が高くなるため、特に注意が必要です。なお、築15年程度以内の建物であれば検査済証があるケースが多いですが、それ以前の建物では、検査を受けていない、または制度自体が存在しなかったケースも少なくありません。
図面の確認
建物には必ず図面が存在します。主に確認すべき図面は以下のとおりです。
- 平面図
- 立面図
- 断面図
- 矩計図
- 基礎伏図
- 耐力壁・金物配置図
これらの図面は、建築確認申請書に添付されていることが多く、建物の構造や施工内容を把握するための重要な資料となります。
仕様書・各種計算書・地盤調査報告書
仕様書には、使用材料や性能、仕上げの内容などが詳しく記載されています。地盤調査報告書では、その敷地の地盤の強さや性質が確認でき、地盤改良工事が行われている場合は、その施工報告書も確認します。壁量計算書・金物計算書は、建物が地震に対してどのような構造計画で設計されているかを示す重要な資料です。
各種保証書
地盤、白蟻、防水などに関する保証書は、保証期間内に不具合が発生した場合の対応を明確にするものです。また、工務店やメーカーによっては独自の10年保証を設けている場合もあります。
工事中の写真
検査済証があっても、工事中の写真が残っていれば、より安心して建物を評価することができます。特に、基礎・軸組・断熱工事など、完成後に見えなくなる部分の写真は重要です。
売買契約書
売買契約書で最も重要なのは、購入後に重大な欠陥が見つかった場合の対応がどのように定められているかです。万一トラブルが発生した場合でも、買主に過度な負担がかからない内容になっているかを確認する必要があります。
建築確認申請書・検査済証がない場合の判断基準
現実には、建築確認申請書はあるものの、検査を受けていない建物も数多く存在します。その場合、その建物に問題があるかどうかを判断することは非常に難しくなります。
建築確認申請書や検査済証が古い場合は、当時の建築基準法と現行法規を比較し、既存不適格かどうかを確認します。既存不適格は違反建築ではありませんが、現行基準には適合していない状態です。特に構造に関しては、阪神・淡路大震災以降、大きく基準が改正されています。既存不適格で耐震性に不安がある場合は、耐震診断を行い、必要に応じて補強工事を検討する必要があります。
建築確認申請書はあるが検査済証がない場合、現地調査により申請どおり施工されているかを確認する必要があります。確認できなければ、違反建築、構造の安全性が確保できていない可能性が高くなるため、原則としておすすめできる物件ではありません。検査済証がない建物では、不明な部分を「安全側」で判断し補強する必要があるため、結果として多額の費用がかかる可能性が高いことを理解しておく必要があります。
建築確認申請自体が行われていない建物については、違反建築の可能性が高く、建物としての資産価値も低くなるため、慎重な判断が求められます。
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