耐震改修計画の策定が終わり、工務店と契約していよいよ改修工事が始まります。この段階になると、「工事では実際に何をしているのか」「きちんと計画通りに進んでいるのか」と不安を感じる方も少なくありません。
耐震改修工事は、完成後には見えなくなる部分の工事が多く、内容が分かりにくいのが特徴です。このページでは、工事の流れや実際の施工内容をビフォー・アフターの写真を交えながら、素人の方にも分かるように解説します。また、工事中に重要となる工事監理のポイントについても詳しくご紹介します。
工事に入る前に知っておきたいこと
耐震改修工事は、見た目をきれいにする工事ではなく、建物の中身を強くする工事です。そのため、工事中は床や壁、天井をめくるなど、普段見えない部分を大きく触ることになります。
完成後は隠れてしまうため、「どんな工事が行われたのか」を知るためには、工事中の確認や記録がとても重要になります。事前に計画内容の概要を理解しておくことで、工事への不安も大きく減ります。
耐震改修工事の基本的な流れ
- 工務店との工事請負契約
- 着工前打合せ・工程確認
- 解体工事(床・壁・天井など)
- 耐震補強工事(構造部分)
- 復旧工事(内装・外装)
- 完成確認・引き渡し
耐震改修では、まず必要な範囲を解体し、構造部分を露出させてから補強工事を行います。その後、内装や外装を元の状態、または新しい仕上げに復旧します。
耐震改修工事の実際
ここからは、代表的な耐震改修工事について、実際の写真を使って分かりやすく説明できる構成としています。
屋根の軽量化工事
重い屋根は、地震時に建物へ大きな負担をかけます。屋根を軽くすることで、揺れそのものを小さくし、耐震補強の効果を高めることができます。



耐力壁の新設・補強工事
耐震診断で壁量不足や配置バランスの悪さが指摘された場合、耐力壁の新設や補強を行います。建物がねじれず、均等に揺れを受け止められるようにすることが目的です。



接合金物の設置工事
古い木造住宅では、柱と梁、柱と土台をつなぐ金物が不足していることが多く、地震時に部材が抜ける原因になります。必要な箇所に金物を設置し、力の流れを確実にします。



基礎の補強工事
基礎が弱いままでは、上部構造を補強しても十分な耐震性は得られません。無筋基礎やひび割れがある場合は、基礎補強を同時に行います。



劣化改善工事(雨漏り・腐朽・シロアリ)
外壁にひび割れがあり、雨漏りや腐朽、シロアリ被害がある状態では、耐震補強の効果が十分に発揮されません。耐震改修工事とあわせて、劣化部分の改善を行います。



工事監理とは何をするのか
工事監理とは、設計内容や耐震改修計画が、現場で正しく実現されているかを確認することです。施工を監視するのではなく、「計画通りにつくられているか」を第三者の立場で確認する役割を担います。
工事監理の主なチェックポイント
- 耐力壁の位置・数量・向きが図面通りか
- 筋かいや合板の固定方法(釘の種類・間隔)は適切か
- 金物の種類・取付位置・締結状態
- 基礎補強の範囲と施工方法
- 劣化部材が確実に交換・補修されているか
施主の立場でも、「どんな工事をしているのか」「これは計画通りか」と質問することは大切です。工事内容を理解していることで、工務店とのコミュニケーションも円滑になります。
工事完了後に確認しておきたいこと
工事が終わったら、完成状況の確認とともに、工事中の写真や報告内容をしっかり受け取っておくことが重要です。見えなくなった部分こそ、記録として残しておくことで将来の安心につながります。
まとめ|理解して進める耐震改修工事が安心につながる
耐震改修工事は、工事そのものだけでなく、「どんな工事をしているのかを理解すること」がとても大切です。計画に基づき、適切に監理された工事によって、初めて本当の安心が得られます。
このページが、耐震改修工事を進めるうえでの不安を減らし、納得して工事を終えるための参考になれば幸いです。
