日本は世界有数の地震大国です。近い将来にも大地震が発生すると多くの専門家が指摘しており、阪神・淡路大震災、東日本大震災、熊本地震、そして近年の能登半島地震など、各地で甚大な被害が繰り返されています。
これらの地震では、多くの住宅が倒壊・半壊し、尊い命が失われました。特に注目すべき点は、住宅の倒壊が直接の原因となって亡くなられた方が非常に多かったという事実です。地震は、いつ、どこで起きるのか分かりません。明日、突然起きる可能性も否定できないのです。では、今、お住まいのその家は、本当に大丈夫でしょうか。
こんな不安はありませんか?
- 地震が来たとき、この家は本当に大丈夫なの?
- 新耐震基準と聞いたが、安心していいのか分からない。
- 増改築や間取り変更をしているが、影響はないの?
- 耐震改修が必要だとして、どこまでやるべきなのか分からない。
- 今度、リフォームを考えているけど、安全で安心に暮らしたい。
多くの方が、こうした不安を心のどこかに抱えながら暮らしています。「安心して住み続けたい」 それは、誰もが自然に抱く、当然の願いです。
なぜ木造住宅に耐震診断が必要なのか ー 阪神・淡路大震災の教訓
1995年の阪神・淡路大震災では、6,433人もの尊い命が奪われました。そのうち、住宅の倒壊による圧死とされる方は約86%にものぼります。被害を受けた建物を分析すると、建築年代が古い住宅ほど倒壊率が高かったことが分かっています。
昭和56年(1981年)に建築基準法が改正され、新耐震基準が定められました。しかし、それ以前の住宅(いわゆる旧耐震基準の建物)では、耐震設計が十分でないものも多く存在します。さらに、新耐震基準の建物であっても、
- 接合部の施工状況
- 壁の配置バランス
- 白蟻被害や腐朽
- 増改築による構造バランスの変化
などにより、本来の耐震性能が発揮できていないケースも少なくありません。「古いけれど、しっかりしていそうだから大丈夫」「まだ、そんなに古くないから大丈夫」と思われている方も多くみられますが、しかし、築年数や外観だけで耐震性を判断することはできません。やはり、きちんと調査して、ご自身の家がどうなのかをまず、知るということが大事なのです。
木造住宅の耐震診断で分かること(評点・壁量・劣化状況)
耐震診断では、次のような点を総合的に確認します。
- 建物全体の耐震性能(耐震評点)
- 壁量の過不足と配置バランス
- 柱・梁・筋かいなど構造部材の状況
- 接合部(金物等)の有無と状態
- 基礎の種類・ひび割れ・劣化状況
- 地盤・敷地条件が与える影響
- 地震時に想定される「壊れ方」
これにより、
「今の状態で、どの程度の危険性があるのか」
「どこを改善すれば効果的なのか」
を判断することができます。耐震診断は、現状を正しく知り、これからどう暮らしていくかを考えるための判断材料です。そのための耐震診断の進め方を具体的に説明いたします。



耐震診断から耐震改修工事までの流れ
こちらでは、耐震診断をしようと決めたときからの流れを説明します。
① お問い合わせ
② ヒアリング、図面・書類の確認
③ 現地調査
④ 耐震診断
⑤ 結果のご説明とアドバイス(ガイダンス)
耐震診断の結果、改修工事が必要となったなら、改修計画・工事を行います。
⑥ 耐震改修計画
⑦ 耐震改修工事(工事監理)
⑧ 完成・引渡し
のようになります。以下では、順を追って、各々について詳しく説明していきます。
① お問い合わせ
まずは、下記の申込フォームより必要事項を記入の上、送信して下さい。こちらから、ご連絡を差し上げます。
② ヒヤリング、図面・資料の確認
耐震診断を行うにあたり、その建物がどのような建物なのかをヒヤリング、図面・書類を確認する必要があります。必要な図面・書類は、
- 建築確認申請書
- 登記事項証明書
- 売買契約書
- 増改築・リフォーム時の契約書(ある場合)
- 図面(平面図・立面図・断面図・構造図) など
です。これらの図面・資料により、その建物がどのような履歴をもっているのか知ることができます。これらの図面・資料が無い場合でも、耐震診断は可能ですので、その際はご相談下さい(下のQ&A、Q8を参考)。
具体的にどのようなヒヤリング、書類チェックを行うのか、下記の記事に詳しく書いていますので、ご一読下さい。
③ 現地調査
耐震診断は、現地調査が非常に重要です。事前のヒアリング、図面・資料等の確認後、実際の現地をさせていただきます。現地確認により、家の劣化状況、構造などを可能な限り調査します。
現地調査の詳細は、こちらでご確認下さい。
④ 耐震診断
実際に現地調査が終了すると、その調査データをもとに診断を行います。
どのような方法で行うのか、実例による検討のしかたなどを詳しく説明しています。以下の記事を是非、ご一読下さい。
⑤ 結果のご説明とアドバイス(ガイダンス)
耐震診断が終わると、耐震診断の結果を詳しく説明させていただきます。その内容は以下の通りです。
- 現在の建物の状態はどうであったのか
- その状態は、安全上問題があるのか、当面は問題ないのか
- 耐震性は確保されているのか、不足している点はどこか
- 耐震改修は必要なのか、必要であればその理由は何か
- 改修を行わない場合、今後どのような点検・メンテナンスが必要か
- 耐震改修を行う場合の大まかな流れと工事内容の考え方
- 改修にかかる費用の目安はどの程度か
- 補助金や助成制度が利用できる可能性はあるのか、利用できるとしたらいくら補助されるのか
⑥ 耐震改修計画策定
耐震診断の結果、耐震改修が必要という判断となれば、改修工事を行うことになります。改修工事を行うにあたり、どのような工事内容にするのか計画(設計)をする必要があります。それが耐震改修計画策定です。
もし、通常のリフォーム、例えば、間仕切りを変更する、水廻りを改修する、増築するなどのご要望がありましたら、この時に詳しくお聞きします。
その耐震改修計画策定は、どのような方法で行うのか、こちらで実例をあげて詳しく説明しています。以下の記事を是非、ご一読下さい。
⑦ 耐震改修工事(工事監理)
計画策定が終了し、工務店が決まり契約したとなると、工事が始まります。工事が始まると、その工事が計画通りにできているか、問題ないのか、もし、問題が発生したらどう処理するのか、完成まで第三者の眼でチェックする必要があります。
その耐震改修工事は、どのようなものか、そして、その工事をどのような方法でチェックを行うのか、実例をあげて詳しく説明しています。以下の記事を是非、ご一読下さい。
耐震基準適合証明書の発行
耐震基準適合証明書とは、その住宅が現在の耐震基準(新耐震基準)に適合していることを証明する書類です。中古住宅を購入するときや、住宅ローン控除などの税制優遇を利用する際に必要となります。
当事務所では、「耐震基準適合証明書」の発行業務も行っております。「耐震基準適合証明書」が必要な場合は、ご依頼ください。詳しくは、以下の記事でご確認下さい。
耐震改修リフォームの事例
当事務所では、過去に多数の耐震改修リフォームの設計・監理を行っていますが、その事例を紹介していきます。耐震改修リフォームを前向きにご検討の方は、是非、ご一読下さい。
※ こちらページは不定期ですが、投稿記事として少しづつ増やしていきますので、新着記事欄も是非、チェックして下さい。
耐震診断・耐震改修計画策定に使える補助金制度
耐震改修に関しては、各行政において、さまざまな補助金が用意されています。その内容について説明しています。詳しくは以下のページでご確認下さい。
木造住宅の耐震診断・耐震改修計画策定の費用目安
耐震診断や改修にかかる費用は、建物の規模や状態、調査内容によって異なります。「あんしん住宅相談室」では、ご相談内容を伺ったうえで、事前に目安をお伝えし、ご納得いただいてから進めます。
標準的な耐震診断の費用(木造住宅で、延べ床面積100㎡まで)
■耐震診断(書類図面チェック+現場調査+報告書作成) \90,000(税込)~
- 上記金額は「一般診断」を想定しています。「精密診断」が必要となった場合は、別途、見積致します。
- 見積相談は、無料です。
- 場所は、神戸市内、明石市、阪神地域、大阪市を想定しています。
- 現場の場所、規模、構造、お客様の要望、現場に行く回数により費用は異なりますので、その都度、見積させていただきます。
- 床面積が10㎡増えるごとに\5,000(税込)アップとなります。上記料金は、阪神地域における標準料金です。 それ以外の地域は、割り増し料金が加算されます。
- 現場で天井点検口などが設置されておらず、新設する場合は、別途料金が発生します。
- 上記は木造の場合の金額になります。鉄筋コンクリート造、鉄骨造の場合は、別途見積いたしますのでご相談下さい。
- キャンセルの場合は、前日50%、当日100%のキャンセル料をいただく事になりますので、ご注意下さい。
- 耐震基準適合証明書の取得が必要な場合は、別途20,000円(税込)かかります。
対応エリア(神戸市・阪神間・大阪・明石)
神戸市を中心に、阪神地域(西宮市・芦屋市・尼崎市・宝塚市・伊丹市・川西市など)、明石市および大阪市周辺まで対応しております。
阪神・淡路大震災を経験した地域特性を踏まえ、木造住宅の耐震診断・耐震改修を行っています。遠方の場合も内容により対応可能ですので、ご相談ください。
まずは「知ること」から始めませんか
耐震診断は、家を否定するためのものではありません。今の状態を知り、判断材料を持つことが第一歩です。耐震診断を行ったからといって、工事を強要するものではありません。
- 地震に強く、安心して今の家に住み続けたい方
- 中古住宅を購入して、少しでも強いに家に住みたいと考えておられる方
- リフォーム前に状態を把握し、リフォームと同時に耐震改修を行うと割安にできます。
まずはお気軽にご相談ください。「あんしん住宅相談室」は、住まいに向き合う皆さまの立場でサポートします。
耐震診断Q&A
耐震診断をご検討される方から、よくいただくご質問をまとめました。事前にご確認いただくことで、当日の調査もスムーズになります。
基本的には問題ありませんが、床下点検口や天井点検口の周囲に物がある場合は、事前に移動をお願いしております。
耐震診断では、
- 床下の基礎・土台・床組の状況
- 天井裏の梁・小屋組・接合部
- 劣化や補修跡の有無
などを確認します。
そのため、点検口の周囲に家具や荷物があると、内部確認ができなくなる場合があります。
▶ 点検口周辺は、作業スペース(約1㎡程度)を確保していただけますと助かります。
床下や天井裏には、
- 金物の有無
- 梁や柱の寸法
- 接合部の仕様
- 劣化や腐朽の状態
など、重要な情報が数多くあります。これらを直接確認できない場合は、図面や外観状況、周辺情報から総合的に推定しての判断となります。
より正確な診断をご希望の場合は、点検口の設置をおすすめしています。
設置は可能です。何か所設置のかで費用は変わるのですが、例えば2カ所であれば、3~4万円程度です。そこから、1カ所増えるごとに1万円くらいかかります。
床面積100㎡程度の住宅であれば、約半日程度が目安です。
- 現地調査:約2〜3時間
- 診断結果のご説明:約1時間
じっくり確認させていただきますので、余裕を持ったお時間を確保いただけると安心です。
その時の混み具合にもよりますが、できる限りご要望にお応えいたします。
通常は調査後、内容を整理し、写真・図面・評価表をまとめた上で作成しますので、一定のお時間をいただいております。
お急ぎの場合は、事前にご相談ください。
建築時期によって判断が分かれます。
- 昭和56年(1981年)以前:旧耐震基準
- 平成12年(2000年)法改正:接合部規定強化
現在の耐震基準の基礎となるのは平成12年以降の規定です。
そのため、
▶ 平成12年以前の建物は、一度診断を受けることをおすすめします。
また、増改築歴がある場合や、図面が残っていない場合も確認が必要です
補強が必要となる場合は、
- 壁量不足の程度
- 基礎の状態
- 接合金物の有無
- 劣化の有無
により、基準を満たしているかどうかできまります。補強費用はその補強内容と建物の状況により大きく異なります。
目安としては、
- 軽微な補強:数十万円程度
- 本格的な耐震補強:100万円〜数百万円規模
となるケースが多いですが、正確な金額は診断後、ご希望をお聞きしながら、設計・積算を行いますので、その結果よりわかります。
はい、大丈夫です。
図面がなくても、現地調査によって建物の構造や劣化状況を確認し、耐震診断を行うことは可能です。実際には、築年数の古い住宅では「図面が残っていない」「増改築を繰り返して原型が分からない」というケースは珍しくありません。
その場合は、
- 床下や小屋裏に入り、梁・柱・筋かいの有無を確認する
- 基礎の仕様(無筋か鉄筋入りか)を目視・探査する
- 壁の位置やバランスを実測して図面を復元する
- 必要に応じて一部解体調査を行う
といった方法で、現況に基づいた診断を行います。ただし、図面がある場合に比べて、
- 調査に時間がかかる
- 精度を上げるため追加調査が必要になることがある
- 図面がある場合の方がより詳しく情報を得ることができる
- 現地調査の時間・労力が有る場合に比べてふえるため、費用がアップする可能性がある。
という点は理解しておく必要があります。重要なのは、「図面がないから診断できない」のではなく、現況を正しく把握することが何より大切だということです。
建物は、紙の上の情報よりも、実際の構造がすべてです。まずは現地を確認し、どこまで把握できるかを判断することが第一歩になります。
可能です。ただし内容によっては「確認申請」が必要になります。
耐震改修と同時に、
- 一部を増築したい
- 間取りを変更したい
- 吹き抜けをつくりたい
- 水まわりを移動したい
といったご希望はよくあります。
基本的には同時に行うことは可能です。ただし、工事の内容によっては建築確認申請が必要になる場合があります。
増築をする場合
① 原則として確認申請が必要です
特に次の場合は注意が必要です。
- 10㎡を超える増築
- 防火地域・準防火地域での増築(面積に関係なく必要)
- 構造に影響する増築
増築申請がOKになる条件
確認申請が通るためには、以下を満たす必要があります。
① 建ぺい率・容積率を超えないこと
敷地に対する建物の大きさが法定範囲内であること。
② 接道義務を満たしていること
幅4m以上の道路に2m以上接していること。
③ 既存建物が違法状態でないこと
既存不適格であっても、著しく違法状態である場合は認められません。
④ 構造安全性が確保できること
増築部分だけでなく、建物全体の安全性が問われます。
間仕切り変更の場合
通常の間仕切り変更のみであれば、確認申請は不要です。
ただし、
- 耐力壁を撤去する場合
- 梁や柱を抜く場合
- 吹き抜けにする場合
は、構造安全性の検討が必要になります。
大規模リフォームの場合
大規模リフォームの場合も確認申請が必要なことがあります。建築基準法では、2025年4月に「4号建物特例の縮小化」という改正が施行され、
「大規模の修繕」
「大規模の模様替え」
を行う場合、確認申請が必要になることがあります。
「大規模」とはどういう意味?
「大規模」とは、建物の主要構造部の過半(半分以上)を工事することを指します。
主要構造部とは:
- 壁
- 柱
- 梁
- 床
- 屋根
- 階段
例えばこんなケース
- 屋根を全面的にやり替える
- 外壁を全面的に撤去して張り替える
- 1階の床を全面解体する
- 柱・梁を大幅に入れ替える
これらが「過半」に達すると、確認申請が必要になります。詳しくはこちらを参考にして下さい。
なぜ確認申請が必要になるのか?
大規模改修を行うと、建物は事実上「新しく造り直す」に近い状態になります。そのため、
- 現行法への適合確認
- 構造安全性の再確認
- 防火規定の確認
が必要になるのです。
特に注意すべきケース
築年数の古い建物で大規模改修を行うと、
- 現行耐震基準への適合
- 斜線制限
- 防火規定
- 接道条件
などが改めて問われる場合があります。
場合によっては、
「改修したいが、法的に制限がかかる」
ということもあります。いずれにしても、増築する場合や大規模なリフォームを行う場合には、行政に事前の確認が必要となります。
耐震改修と同時に行うメリット
一方で、同時施工にはメリットもあります。
- 壁をめくるタイミングが同じ
- 構造補強が合理的にできる
- コスト削減につながる
- 補助金対象になる場合がある
まとめ
✔ 増築には原則確認申請が必要
✔ 大規模リフォームでも申請が必要になることがある
✔ 「主要構造部の過半」が一つの目安
✔ 事前の法規チェックが非常に重要
耐震特集(幸せ住まいづくり講座)
当社が作成・運営しています「幸せ住まいづくり講座」では、耐震に関して、「なぜ耐震が必要なのか」から地震に強い家にするためにはどうたらいいのか、「耐震診断の方法」「耐震改修工事」まで、その全体像をできるだけ、やさしく解りやすくまとめています。
耐震に関して、基礎知識を身につけ、正しく知ることが大切です。是非、ご一読いただき、住まいの安全を考える第一歩として、是非、お役立てください。













