「あんしん住宅相談室」では、中古住宅を購入する際に「本当にこの家を買って大丈夫かどうか」を判断するため、実際の建物の現状を、専門家の立場から詳細に調査しています。中古住宅は、見た目がきれいでも、構造や床下、屋根裏など普段は見えない部分に重要な問題が隠れていることがあります。このページでは、当相談室が実際に行っている現地調査・診断の内容を具体的にご紹介します。
調査は大きく4つの視点から行います
現地調査では、建物全体を次の5つに分けて確認します。
- 外部のチェック
- 内部のチェック
- 床下のチェック
- 小屋裏(屋根裏)のチェック
- 図面・書類のチェック
それぞれの調査を通じて、
建物の安全性・耐久性・将来の修繕リスクを総合的に判断します。
外部のチェック― 建物全体の劣化状況と、将来の修繕リスクを確認
外部の調査では、建物を外側から確認し、地盤の影響や外装材の劣化、雨水の侵入リスクなどを重点的にチェックします。
主な確認項目は以下の通りです。
- 建物(地盤)が傾いていないか
- 外壁仕上げ材に大きなひび割れ、破損、浮き、はらみがないか
- コーキングに隙間やひび割れがなく、防水性能が保たれているか
- サッシに腐食や破損がなく、劣化が進んでいないか
- 基礎コンクリートに大きなひび割れ、欠損、鉄筋露出がないか
- 土間コンクリートにひび割れ、錆び汁、目違い、欠損がないか
- 屋根葺材(下屋根部分)にずれや割れなどの不具合がないか
- 設備機器が正常に作動しているか、劣化状況はどうか
- 外部排水や配管会所に詰まり、異音、異臭がないか
- 電気・ガス設備の設置状況や劣化状態はどうか
- バルコニーの防水、水切り、サッシ取り合い部に不具合がないか
- 樋に破損、外れ、腐食がないか
- ブロック塀・擁壁にひび割れ、はらみ、ずれ、鉄筋露出がないか
これらを確認することで、雨漏りや外装劣化、将来発生しやすい修繕ポイントを把握します。
内部のチェック― 居住時の安全性と、生活に直結する不具合を確認
内部の調査では、実際に住んだ際に支障が出る可能性のある傾き・雨漏り跡・設備不良などを確認します。
主な確認項目は以下の通りです。
- 壁・柱・床に傾きがないか
- 天井や壁に大きなひび割れ、雨漏り跡、結露跡がないか
- 柱に構造上問題となるようなひび割れや欠損がないか
- 床材に床鳴り、不陸、反り、伸縮などがないか
- 建具に歪みや傾きがなく、開閉がスムーズか
- 開口部周辺に雨漏りや結露の痕跡がないか
- 給排水設備に水漏れ、異臭、異音がなく正常に作動するか
内部の状況は、建物の歪みや劣化が生活にどのような影響を与えるかを判断する重要な材料となります。
床下のチェック― 構造の安全性や、重大な欠陥の有無を確認
床下は、普段ほとんど確認できない部分ですが、住宅の寿命や安全性を左右する非常に重要な箇所です。
主な確認項目は以下の通りです。
- 基礎コンクリートにひび割れ、錆び汁、欠損、鉄筋露出がないか
- 床下の換気状況に問題がないか
- 土台・柱・床組に腐朽、腐食、蟻害がないか
- 床下配管からの漏水がないか、設置状況は適切か
- 断熱材が正しく設置され、脱落や劣化がないか
床下の状態から、見えない構造劣化や将来の修繕リスクを読み取ります。
小屋裏(屋根裏)のチェック― 雨漏りや構造劣化の兆候を確認
小屋裏は、雨漏りや結露、構造材の不具合が現れやすい場所です。天井点検口などから内部を確認します。
主な確認項目は以下の通りです。
- 柱・梁・小屋組に腐朽、腐食、蟻害がないか
- 小屋裏の換気状況に問題がないか
- 接合金物が適切に取り付けられているか
- 雨漏り跡や水染みがないか
- 断熱材の設置状況や劣化の有無
- 天井・壁下地材は適切か
- 小屋組材の設置状況に問題がないか
小屋裏の確認により、過去の雨漏りや構造的な不安要素を把握します。
図面・書類のチェック― 法的に問題ないのか、どのような構造・性能か確認
中古住宅を購入する際には、建物そのものの状態だけでなく、どのような書類・図面が残されているかを確認することも非常に重要です。 これらの書類を確認することで、その建物が法的に問題のない建物なのか、また、どのような構造・性能を持っているのかを客観的に判断することができます。
また、売買契約書には、その建物の敷地状況・建物状況、保証など様々なことが記載されています。その内容が適切なのか、購入して将来、問題ないのかも十分にチェックする必要があります。
主に確認すべき書類は、以下のとおりです。
- 建築確認申請書および確認済証
- 中間検査合格証、完了検査済証
- 図面(平面図・立面図・断面図・矩計図・基礎伏図・耐力壁/金物配置図・設備図など)
- 仕様書・地盤調査報告書・壁量計算書・金物計算書
- 各種保証書(地盤・白蟻・防水・10年保証など)
- 工事中の写真(基礎・軸組・断熱工事などの隠蔽部分)
- 売買契約書
これらを総合的に確認することで、購入するにあたり、その建物に問題があるかどうかを判断する重要な材料となります。
実際の調査とその判断基準
以上の調査結果により、その中古住宅を購入するのか否かをきめなければなりません。その判断基準を示しています。また、実際に調査している様子を解りやすく、事例をあげながら説明しています。こちらを読んでいただき、どのように判断すればよいのか、その基準にして下さい。
調査方法について
調査は、レベル測量器、各種計測、目視確認などを組み合わせて行います。単なる目視だけではなく、経験と数値に基づいて、建物の状態を多角的に判断します。
基本的に目視にて行います。天井や壁・床をめくっての詳細調査は行いません。もし、この調査により、どうしてもめくる必要が出た場合は、ご契約後に別途見積の上、詳細調査を行います。
耐震診断(オプション)について
阪神・淡路大震災や耐震偽装事件以降、住宅の耐震性は非常に重要な検査項目となっています。中古住宅を購入する際にも、その建物がどの程度の地震に耐えられるのかを知ることは、安心して暮らすために欠かせません。
現地での調査データや図面の有無、構造状況をもとに、築年数が古い、かんり傷んでいる場合など、必要に応じて耐震診断(一般)を行います。
耐震診断に関しては、こちらを参考にして下さい。

調査結果のご報告について
- 調査当日、終了後に口頭で概要を説明します。
- 耐震診断を含む場合、構造計算結果は後日となります。
- 写真・コメント・所見を整理した 詳細な報告書を2~3週間程度で提出します。(お急ぎの場合はご相談ください)
報告書は、購入判断の材料としてだけでなく、将来のメンテナンスやリフォーム計画の資料としても活用できます。
中古住宅の購入は、価格や雰囲気だけで決断すると、後悔につながることがあります。「あんしん住宅相談室」では、第三者の一級建築士として、「買っても大丈夫か」「今回は見送るべきか」
その判断材料を、分かりやすくお伝えします。不安を感じたら、ひとりで抱え込まず、まずはご相談ください。
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